人生の先輩による生き方の知恵が詰まった1冊~誰と出会うかで人生は大きく変わる。学生さんに読んでほしい~
目次 [非表示]
「また必ず会おう」と誰もが言った。〜喜多川泰〜
出会い
喜多川泰さんの虜になった私。とにかく全部読もうと思って、出会った一冊。
あらすじ
主人公・秋月和也は熊本県内の高校に通う17歳。 ひょんなことからついてしまった小さなウソが原因で、単身、ディズニーランドへと行く羽目になる。 ところが、不運が重なったことから最終便の飛行機に乗り遅れてしまう和也。 所持金は3400円。 「どうやって熊本まで帰ればいいんだ……」。 途方に暮れる彼に「おい! 若者」と声をかけたのは、空港内の土産物売場で働く1人のおばさんだった――。 人生を考え始めた高校生に大人たちが語りかける、あたりまえだけどキラリと光った珠玉の言葉。 誰の人生にも起こりうる出来事から物語をつむぐ名手、ベストセラー作家の喜多川泰がお届けする感動の物語。 “この物語では、一人の若者が旅を通じていわゆる普通の人たちと出会い、その人たちの日常に触れながら、自分の日常を見直す機会を得ます。その中で彼は同時に「生きる力」についても学んでいきます。 思えば僕たちの人生も同じです。 予定通りに行かないことの連続。その中で起こる愛すべき人たちとの出会い、そして別れ。その繰り返しの中での気づき。 この本によって、積極的に人との出会いを求めて行動し、そして、生まれながら備わっている「生きる力」を磨こうとする人がひとりでも増えるきっかけになれば、著者としてこれ以上嬉しいことはありません。”(「あとがき」より)
主人公の秋月和也が出会った沢山の大人たち。どこにでもいる普通の人たちなんだけど、人生の先輩たちの「生き方の知恵」沢山詰まっていたの。特に響いたものを抜粋したよ♪
名言
田中昌美の言葉(1日目の空港にて)
・そんなことを考えるより、今の状況を楽しみなさいよ。良いかい。一生に一度あるかないかだよ。
・人間が「絶対にやる」と自分で決めたことは、ほかの誰にも止めることはできないんだよ。
・お金よりもずっと大切なこと「人より先に動いて、人の役に立つことよ。」
・あなたが泊まった家では、食事の片付け、布団の上げ下し、風呂掃除からトイレ掃除誰よりも早く起きて、朝のゴミ出し、部屋や廊下、階段の掃除から玄関の掃除までそりゃこれでもかってくらいしっかりやりなさいよ。取りあげるくらいの勢いがなくちゃダメ。
・実は居候ってのは、泊めてもらう側もストレスが大きいんだよ。だから、何かで誰かの役に立っているという実感がないと楽しく過ごすことができないんだ。
・あなたがそこそこ幸せなのは、あなたの家には、例えあなたがどんな態度を取ってもそれを毎日やってくれる人がいるからよ。そこを忘れちゃダメね。
秋月和也の言葉(美容室Kにて)
・うちの店のモットーは「感謝」。全てのことに感謝しながら働こうということになっている。お客様に感謝。出会いに感謝。仕事ができることに感謝。両親の誕生日は休み。
・自分の非を認めたり、素直に謝ったり、感謝したり、お礼を言ったりする勇気がない奴は幸せになんてなれねえよ。
若い警察官太田の言葉(3日目)
・いやぁ、それにしても面白い経験をしているねぇ。今は面白いなんて考える暇はないかもしれないけど、多分君の人生において一生忘れることができない経験を今しているのは間違いない。そんな経験の中で出会えた僕もラッキーだなぁ。
・人間はね、いや人間だけがと言っても良い、誰かの喜ぶ顔を見るために、自分の全てを投げ出すことができるんだ。
・人間は人が喜ぶことをしたときに、自分も同じ喜びを得ることができるんだ。
・学校というのは持つ必要のない劣等感を持たされる場所であるからね。ほかの人が何かを達成したとか、認められと言う経験がそのまま自分を否定されたような気持ちになりやすいんだろう。でも、実際はどんな人だって、誰かの喜ぶ顔が見たい、そのためならなんだってできるって一面を持っているんだ。それに気づいたら、その一面を大切にしてほしい。
・勇気を出すために必要なことは「愛情」。相手に興味を持つこと。人間そのものを愛する心を持つこと。これがなければ、一歩踏み出す勇気が湧いてこない
・大好きな人の喜ぶ顔を見るためなら、人間はどんなことだって頑張れるようにできているんだ。
トラックの柳下の言葉(4日目)
・嘘をついたってかまわん。でも他の奴をやりこめたり、自分のメンツを保ったりすることだけのために嘘をつくようなかっこ悪いことはするな。
・なぁ、兄弟、誰がなんと言おうと、お前の人生はお前のもんや。誰かがやれと言うたからやる。やるなと言うたからやらん。そういう生き方をして、お前は自分の人生の責任をちゃんと自分で取る自信はあんのか?
・ええか、兄弟、お前の人生はお前のもの。全てお前の責任で起きる。相手が大人だろうが、先生だろうが、言いなりになって何かを手に入れようと思ったところで、お前はお前らしさを失う。そして、それによって起きることを自分のせいじゃなくて、他人のせいにして生きる。
・自分で考える人間になれよ。自分の人生を他の奴のめちゃくちゃな命令にめちゃくちゃにされるなよ。
・好かれたいんじゃない。幸せになってもらいたい。
・そうやって他人の色眼鏡をかけて、世の中を見てる奴に限って、この世は行きにくいとか、苦労が多いとか、良いことがないとか平気で口にする。ワシに言わせりゃ当たり前じゃ。そんなもん。いつまで他人の眼鏡で世の中を見てんねんって言いたい。
・人がなんと言おうと自分がやりたいことは何かを真剣に考えろ。他の誰でもない。お前の人生やろ。
・自分の人生だ。自分の価値観で好きなように生きて良いんだ。
医者の和田 の言葉(4日目夜フェリー、5日目の朝)
・若いうちの旅と出会いは財産になる。とにかくチャンスがあったら、旅に出るのが良い。
・自分の使命を見つけるまで何でも好きなことをやったら良い。そして、自分の使命を見つけたら、それに命をかけて生きりゃ良い。
・親が子に思うこと「いつかきっとたくさんの人から信頼される素晴らしい人に成長してくれるということ」
柳下千里の言葉(トラックの娘)
・私が思い描いていた自由っていうのは、自分にとって都合が良いって意味だったということを思い知らされた。
・自分にとって都合が良い結果になった時に成功。そして自分位とって都合が悪い結果になった時に失敗って。それは失敗じゃなくて完全に実力通り。
・自分が頑張った分しか、幸せになれない。
・この国に住む全ての人は、もっとこの国のことを知って、愛して、外に出たら自信と誇りをもって、その良さを伝えることをしないと。日本人が国際人になるってそういうことでしょ。
三品さんの言葉(5日目、九州のフェリーにて)
・人間は新しい出会いがなければ、なかなか成長できんもんじゃよ。昔からの人間を成長させるものは出会いと相場は決まってる。
・やりたいことをやるのはとても勇気がいることじゃ。でも大事なのは結果じゃない。それにぶつかり、続けている時に何を感じるかだ。
・人は、ある瞬間に人生の使命と出会う。ところが昔の若者は皆、自分の使命を感じて生きておうた。
・自分の命は限りある有限なものだと強く認識した者ほど、自分の使命が何かを考えようとする。
・自分の人生は限りのある有限なものだということを強く感じる経験を通して、人は使命というものを見つけ出そうとし、その感じ度合いによって、その使命にどれだけ忠実に生きようとするかが決まる。
・自分のやりたいことに正直に、真正面からぶつかり続ける生き方をしていけば、お前さんもいつかきっと自らの命の有限性を無理やりでなく、自然に感じる時がやってくる。
・これから出会う人々とのご縁を大切にしていけば自然とそういうものがわかる日がやってくる。
・人と人が出会うということはそれほど大きな意味を持つ行為じゃよ。
感想
喜多川泰さんがこの本を通して伝えたかったことは、
”人生は誰と出会うかで大きく変わる”
”偶然に見える全ての出会いが必然である”
の2つだと思った。
私自身出会ってよかったと思う良い出会い、出会わなければよかったと思う悪い出会いどちらもある。しかし、どれも出会うべくして出会ったのだ。出会わなければよかったと思う人を振り返ると、辛い経験を思い出してしまう。でもそんな経験をした時は、いつも自分と向き合い、沢山考えた。多分その時の自分には、その時間と、その試練を超える必要があったのだと思う。そう思うと自分を成長させてくれた人であるし、出会ってくれてありがとうと思えてくる。
結局、悪い出会いってないのかなって思える。
この本に初めて出会ったのは10年前。その当時の私は主人公のようにたくさんの人に会っていろんな経験をしたいと思っていた。しかし、10年経って思うことは、無理に出会いを広げようとしなくて良いと言うこと。この10年いろんな経験をしてきた。辛い時に側にいてくれた人に、何ができるか、目の前の大好きな人たちに多くの時間を使っていきたい。出会いを無理に広げようと思わなくても、大好きな人に時間を使っていたら大好きな人の大好きな人を紹介されたりする。私はそう言う出会いを私は大切にしていきたい。